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遺族年金制度の
仕組み

公的年金には下記3つの制度があり、一人一年金の原則(併給調整)があります。

  • 65歳になると受給がスタートする「老齢年金
  • 国民年金が規定する障害状態と認定された場合に受け取れる「障害年金
  • 一家の働き手が亡くなった際、遺された家族の生活を支える「遺族年金」

こちらでは「遺族年金」について説明します。

「遺族年金・給付金」概要一覧

「遺族年金・給付金」概要一覧

子とは、以下の条件に当てはまる未婚の子どもを指す

  • 18歳に到達した年度の末日(3月31日)までの子ども
  • 20歳未満で、障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子ども

日本の年金制度は「2階建て」構造となっており、遺族年金は全国民に共通する1階部分「遺族基礎年金」と、会社員や公務員が対象の2階部分「遺族厚生年金」に分かれています。

遺族年金は、ご家族の状況や年齢によって「受け取れる額」も「受け取れる期間」も一人ひとり異なります。また、2028年4月から遺族年金制度は大きく変わります。

2028年4月から変更となる
遺族年金制度まとめ

ポイント

主な変更点

Point 1

遺族厚生年金の男女差解消
(共働き時代への対応)

  • 男女問わず5年間の「有期給付」
    (配慮が必要な場合は継続給付あり)
  • 受給額はこれまでの約1.3倍(有期給付加算)
  • 年収制限(850万円ルール)の廃止
  • 将来の老後資金を一生涯備える「死亡分割」の新設
  • 中高齢寡婦加算の段階的な廃止

Point 2

急激な変化による
影響を抑える「経過措置」

下記の場合は遺族厚生年金の見直しの影響を受けない

  • 改正前にすでに受給している方
  • 2028年度に40歳以上となる女性
  • 60歳以降に遺族厚生年金の受給権が発生する方
  • 子が18歳年度末になるまでの間の給付内容は現行制度と同じ

Point 3

遺族基礎年金の改善

  • 第3子以降の加算額増加
  • 親の事情による支給停止ルールの緩和

まずは基本の仕組みを知り、ご自身やご家族にとって最適な備えを確認していきましょう。

もしものときの必要な備えについて

CONTENTS

遺族基礎年金とは
(子どもがいる世帯)

遺族基礎年金は、自営業や会社員を問わず、国民年金・厚生年金に加入しているすべての方に関わる「1階部分」の公的保障です。

この年金の最大の特徴は、亡くなった方に支えられていた「18歳到達年度末日まで(または一定の障害のある20歳未満)の子ども」がいる世帯を支えるための制度であるという点です。つまり、主に子育て世帯の生活を守るためのセーフティネットとしての役割を担っています。

子どもがいない配偶者は「遺族基礎年金」を受け取ることはできませんが、会社員の配偶者であれば「遺族厚生年金」、自営業の妻であれば「寡婦年金」といった別の仕組みが用意されています。

遺族基礎年金の
支給対象者と支給要件

遺族基礎年金を受け取るためには、亡くなった方の「年金加入状況(亡くなった人に関する要件)」と、遺された家族の「生計維持関係(受け取る人に関する要件)」の両方を満たす必要があります。

亡くなった人の要件

遺族基礎年金は、次のいずれかに該当する方が亡くなったときに支給されます。

  • 1.国民年金の被保険者(原則20~60歳)である間に亡くなったとき
  • 2.国民年金の被保険者であった方で、日本国内に住所がある60~65歳の間に亡くなったとき
  • 3.老齢基礎年金を受け取っている方(または受給資格を満たしている方)が亡くなったとき

1・2については死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が「国民年金加入期間の3分の2以上」ある必要があります。 ※ただし、2036年3月末日までの特例として、亡くなった方が65歳未満であれば、死亡日の前々月までの直近1年間に未納がなければ受給可能です。 3については保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間ならびに 65歳以降の厚生年金保険の被保険者期間を合算した期間が25年以上ある方に限ります。

受け取る人の要件(遺族の範囲)

遺族基礎年金を受け取れるのは、亡くなった方によって「生計を維持されていた」以下の家族に限られます。

  • 子のある配偶者

ここでいう「子」とは、以下の条件に当てはまる未婚の子どもを指します。

  • 18歳に到達した年度の末日(3月31日)までの子ども
  • 20歳未満で、障害年金の障害等級1級または2級の状態にある子ども

「生計維持関係」の基準

「生計を維持されていた」と認められるには、原則として次の両方を満たしていることが条件です。

亡くなった人と同居

別居でも仕送り等の実態があれば可

受け取る人の年収

遺された方の前年の年収が850万円未満
(または 所得655万5,000円未満)

遺族基礎年金額の
仕組みと支給停止の条件

遺族基礎年金は、一律の「基本額」に「子の数に応じた加算」を加えた合計額が支給されます。

年金額の計算

子のある配偶者

847,300円

子の加算額

第1子・第2子:各243,800円

第3子以降:各81,300円

(※2028年改正で増額予定)

遺族基礎年金額(令和8年度)

受け取る人

年間の受給合計額

配偶者

+ 子1人

1,091,100 円

配偶者

+ 子2人

1,334,900 円

配偶者

+ 子3人

1,416,200 円

2028年4月以降の
改正ポイント

多子世帯への支援を厚くするため、これまで少額だった「第3子以降の加算額」が、第1子・第2子と同額まで引き上げられる予定です。

参照:日本年金機構/遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額) (2026年4月1日)

支給停止となる条件

遺族基礎年金の受給資格があっても、以下のようなケースでは年金の支払いが一時的に止まる「支給停止」となります。

  • 労働基準法の遺族補償を受けるとき

    亡くなった原因が業務上の事故などで、労働基準法に基づく遺族補償が行われる場合、6年間は遺族基礎年金が支給停止となります。

  • 所在不明

    受給権者が1年以上所在不明になった場合、他の受給権者の申請により支給停止となります。

  • 子に対する支給停止

    配偶者が遺族基礎年金を受給している間や、生計を同じくする父又は母がいるとき、子ども自身に支払われる遺族基礎年金は全額停止となります。

2028年4月以降の
改正ポイント

配偶者(親)の年収が高い場合や、親が再婚した場合などに子どもの受給権が停止されるケースがありましたが、 改正後は子ども自らの選択によらない事情による支給停止がされないようルールが改められます。

参照:厚生労働省/[年金制度の仕組みと考え方] 第13 遺族年金 (2026年3月 現在)

寡婦年金・死亡一時金とは
(自営業者など)

自営業者などが加入する国民年金(第1号被保険者)には、遺族基礎年金とは別に、独自の給付制度として「寡婦年金」と「死亡一時金」が用意されています。

注意!寡婦年金と死亡一時金は「選択制」

両方の要件を満たしている場合でも、受け取れるのはどちらか一方のみです。一度選択して受給すると後から変更できないため、慎重に比較する必要があります。

妻が受け取る
寡婦年金の概要と支給要件

寡婦(かふ)年金は、自営業者などが加入する国民年金(第1号被保険者)保険料を納めてきた夫が、年金を受け取る前に亡くなった場合、子どものいない(または成長して遺族基礎年金対象外である)妻の生活をサポートするために支給される制度です。

受給できる条件

寡婦年金は、以下の条件をすべて満たしている場合に受給できます。

亡くなった人(夫)の要件

  • 亡くなる前日において、国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が合計10年以上あること。
  • 老齢基礎年金や障害基礎年金を受給したことがないこと。

受け取る人(妻)の要件

  • 夫と10年以上継続して婚姻関係(事実婚を含む)があり、夫によって生計を維持されていたこと。
  • 夫が亡くなった当時、65歳未満であること。
  • 繰り上げ支給の老齢基礎年金を受けていないこと。

支給期間と年金額

寡婦年金の支給期間

60~65歳の最大5年間

寡婦年金の支給期間

※妻が65歳になり、自身の老齢基礎年金の
受給が始まると終了します

寡婦年金の年金額

夫の老齢基礎年金額の3/4

寡婦年金の年金額

※夫の第1号被保険者期間だけで計算されます

参照:日本年金機構/寡婦年金 (2021年4月1日)

死亡一時金の受給条件と支給額

死亡一時金は、自営業者などが加入する国民年金(第1号被保険者)保険料を納めた期間が一定以上ある方が、年金を受け取らずに亡くなった場合に遺族へ支払われる一時金で、妻以外も受け取れます。

受給できる条件

死亡一時金は、以下の条件をすべて満たしている場合に受給できます。

亡くなった人の要件

  • 亡くなる前日において、国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(一部免除期間を含む)が合計36月(3年)以上あること。
  • 老齢基礎年金や障害基礎年金を受給したことがないこと。

受け取る人の要件(遺族の範囲)

亡くなった方と生計を同じくしていた遺族のうち、以下の順位で最も高い方が対象です。

受け取る人の要件(遺族の範囲)

※ 遺族が「遺族基礎年金」を受け取れる場合は、死亡一時金は支給されません。

支給額の仕組み

支給される金額は、亡くなった方が保険料を納めた月数(納付済期間)に応じて、以下のように段階的に決まっています。

死亡一時金(2026年3月現在)

保険料を納めた期間

支給額

36か月以上 180か月未満

120,000円

180か月以上 240か月未満

145,000円

240か月以上 300か月未満

170,000円

300か月以上 360か月未満

220,000円

360か月以上 420か月未満

270,000円

420か月以上

320,000円

一部免除期間がある場合は、その期間に応じた月数計算が行われます。

付加保険料を36か月以上納めていた方は、表の金額に8,500円が加算されます。

注意!申請の期限(時効)

死亡一時金を受け取る権利は、死亡日の翌日から2年を過ぎると時効により消滅してしまいます。遺族年金(5年)よりも期限が短いため、早めの手続きが必要です。

参照:日本年金機構/死亡一時金 (2026年4月1日) 厚生労働省/死亡一時金制度の概要(2026年3月現在)

遺族厚生年金とは
(会社員・公務員)

遺族厚生年金は、会社員や公務員など、厚生年金に加入していた方(第2号被保険者)が亡くなった際に、遺族基礎年金に「上乗せ」して支給される2階部分の年金です。亡くなった方の給与額や加入期間に応じて年金額が決まるため、遺族基礎年金だけよりも高額になります。

遺族厚生年金の
支給対象者・支給要件

遺族厚生年金は、会社員や公務員として厚生年金に加入していた方が亡くなった際、その方に生計を維持されていた遺族に支給されます。

亡くなった人の要件

遺族厚生年金は、次のいずれかに該当する方が亡くなったときに支給されます。

  • 1.厚生年金の被保険者である間に亡くなった
  • 2.被保険者期間中の初診日から5年以内に、その病気やケガが原因で亡くなった
  • 3.1級・2級の障害厚生年金を受けている方が亡くなった
  • 4.老齢厚生年金の受給権者(または受給資格期間を満たしている方)が亡くなった

1・2については死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が「国民年金加入期間の3分の2以上」ある必要があります。 ※ただし、2036年3月末日までの特例として、亡くなった方が65歳未満であれば、死亡日の前々月までの直近1年間に未納がなければ受給可能です。4については保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間ならびに 65歳以降の厚生年金保険の被保険者期間を合算した期間が25年以上ある方に限ります。

受け取る人の要件(遺族の範囲)

亡くなった方と生計を同じくしていた遺族のうち、以下の順位で最も高い方が対象です。

亡くなった方と生計を同じくしていた遺族のうち、以下の順位で最も高い方が対象です。

寡婦年金の支給期間
  • ※1子・孫は18歳到達年度末日まで、または一定の障害のある20歳未満の子どもをさす。
    また、子のある妻または子のある55歳以上の夫が遺族厚生年金を受け取っている間は、子には遺族厚生年金は支給されません。
  • ※2子のない30歳未満の妻は、5年間のみ受給できます。また、子のない夫は、55歳以上である方に限り受給できますが、受給開始は60歳からとなります。
    (ただし、遺族基礎年金をあわせて受給できる場合に限り、55歳から60歳の間であっても遺族厚生年金を受給できます)
  • ※3父母または祖父母は、55歳以上である方に限り受給できますが、受給開始は60歳からとなります。

遺族厚生年金額の計算方法と
中高齢寡婦加算

遺族厚生年金の額は、亡くなった方がこれまでに納めた保険料の額(報酬比例部分)をベースに計算されます。

年金額の基本計算式

亡くなった方が受け取るはずだった老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3が支給額となります。

遺族厚生年金の受給例
現行制度(令和7年改正法による改正前)※2026年4月現在

会社員の場合

国民年金

厚生年金

  • 厚生年金加入8年間
    (22~30歳)
  • 平均月収 35万円
  • 妻と子ども1人

遺 族

遺族基礎年金

子どもが18歳年度末まで

年847,300円
(定額の基本年金額)

年243,800円
(子の加算額)

1,091,100円

条件を
満たせば

どちらも
支給される

遺族厚生年金

厚生年金に25
加入したものとみなされる

25年加入の老齢厚生年金相当額

3/4

年約431,600円

参照:厚生労働省/遺族厚生年金の見直しについて (令和7年6月30日)

若くして亡くなった場合の特例
【 300か月みなし 】

厚生年金の加入期間が短い(25年未満)方が亡くなった場合、加入期間を自動的に「300か月(25年)」とみなして計算してくれる手厚い保障があります。これにより、加入して間もない時期でも一定水準の年金額が確保されます。

中高齢寡婦加算

次のいずれかに該当する妻が受ける遺族厚生年金には、40歳から65歳になるまでの間、年額635,500円(令和8年度)が加算されます。

生計を同じくしている子のいない妻

夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満

遺族基礎年金を受けていた子のいる妻

子が18歳到達年度の末日に達した等のため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき

※子とは18歳到達年度の末日までの(または一定の障害状態にある20歳未満の)子どものこと

寡婦年金の支給期間

参照:日本年金機構/遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額) (2026年4月1日)

遺族厚生年金の
見直し内容の最新情報

遺族年金制度は、今まさに「一生涯の保障」から「自立を支援する期間限定の保障」へと大きく変化しています。2028年4月に施行される最新の改正内容と、その影響を受ける方の範囲について詳しく解説します。

2028年4月改正の全体像

今回の改正の背景には、共働き世帯の一般化や、男女間の公平性の確保があります。

子どもがいない60歳未満の
妻・夫の遺族厚生年金

※20年かけて引き上げ

改正前現行制度

夫の死亡時に

30歳未満の妻 → 5年のみ受給

30歳以上の妻 → 生涯受給できる

妻の死亡時に

55歳未満の夫 → 受給できない

55歳以上の夫 → 生涯受給できる
(60歳までは支給停止)

改正後2028年4月以降

60歳未満の妻・夫

5年間の有期給付(約1.3倍へ増額)

  • 死亡分割により老齢厚生年金が増額
  • 年収850万円以上でも受け取れるように
  • 配慮が必要な場合は、5年目以降も給付継続
寡婦年金の支給期間
  • 5年間の有期給付へ
    多くのケースで一生涯支給されていた遺族厚生年金が、2028年4月以降に受給権を得る60歳未満の方については、原則として「5年間の期間限定」となります。なお、5年間の有期給付の終了後も、配慮が必要な場合は継続給付となります。
  • 有期給付加算
    遺族厚生年金の受給期間が短くなる代わりに、5年間の受給額は従来の約1.3倍(報酬比例部分の100%相当)に引き上げられます。
  • 死亡分割
    配偶者の年金記録を分割して、遺族の年金を増やす制度です。 分割された年金は「自分自身の老齢厚生年金」の扱いとなるため無期限で受け取ることができます。
  • 収入制限撤廃
    遺族の年収が「850万円未満」でなければ受給できない収入制限が撤廃される予定です。
  • 男女差の解消
    (夫への支給拡大)
    現行制度では、妻を亡くした夫が受給できるのは「妻の死亡時に55歳以上」かつ「受給開始は60歳から」という制限がありました。
    改正後は年齢制限がなくなり、55歳未満の夫でも妻亡き後の5年間、遺族厚生年金を受給できるようになります。

見直しの影響を受けない方

急激な変化による生活への影響を抑えるため、以下のような経過措置が設けられています。

  • 改正前にすでに受給している方
    2028年3月までに遺族厚生年金の受給が始まっている方は、改正後もこれまでのルールがそのまま維持されます。
  • 改正年度に「40歳以上」の女性
    2028年度末(2029年3月末)時点で40歳以上の女性については、これまでの生活設計に配慮し、改正後も現行制度と同じです。
  • 高齢者の受給(60歳以降)
    60歳以降に遺族厚生年金の受給権が発生する方は、現行制度と同じ(無期限の給付)です。
  • 18歳年度末までの子どもがいる方
    子が18歳年度末(または一定の障害のある20歳未満)になるまでの間の給付内容は現行制度と同じです。

参照:厚生労働省/遺族厚生年金の見直しについて (令和7年6月30日)

「中高齢寡婦加算」の段階的な廃止

これまで40歳〜65歳未満の妻に支給されていた「中高齢寡婦加算」は、2028年4月から25年かけて段階的に縮小・廃止されます。これにより、特に現在30代以下の女性にとっては、公的保障だけに頼り切るのではなく、iDeCoやNISA、民間保険などを活用した「自分自身の年金準備」の重要性がこれまで以上に高まっています。

夫が受け取る遺族年金の
注意ポイント

これまで遺族年金制度は、男女の賃金格差やライフスタイルを背景に「妻が受け取るもの」という前提が強くありました。

そのため、妻を亡くした夫が受給するには非常に高いハードルがありましたが、2028年4月の改正によってその仕組みは大きく見直されます。

現行制度(2028年3月まで)の厳しい条件

現在、妻を亡くした夫が遺族厚生年金を受け取るには以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 年齢制限

    妻が亡くなった当時
    夫が55歳以上であること

  • 受給開始時期

    支給が始まるのは60歳から
    (55歳〜60歳の間は支給停止)

  • 所得制限

    夫の前年の年収が
    850万円未満であること

つまり、55歳未満の現役世代の夫は、どれだけ妻が働いて厚生年金料を納めていても、遺族厚生年金は1円も受け取れないのが今のルールです。
※子どもがいる場合は条件を満たせば遺族基礎年金が支給されます

2028年4月以降、夫の受給条件が拡大

2028年4月以降は、男女の不公平をなくすため、夫の遺族厚生年金の受給条件が劇的に緩和されます。

  • 55歳未満でも受給可能に

    これまで支給対象外だった55歳未満の夫も、原則として「5年間の有期給付」として遺族厚生年金を受け取れるようになります。

  • 受給額のアップ

    5年間の期間限定となる代わりに、受給額はこれまでの約1.3倍(報酬比例部分の100%相当)へと増額されます。

  • 所得制限の撤廃

    夫の年収が850万円を超えていても受給できるようになります。妻亡き後の生活再建資金として遺族厚生年金を受け取ることが可能です。

遺族年金の
支給停止・失権・併給調整

遺族年金は、一度受給が始まれば必ず最後まで支給されるとは限りません。

自身が老齢年金を受け取る年齢になった際の「併給調整」や、再婚などのライフステージの変化に伴う「失権」のルールを知っておかないと、将来の資金計画に大きな狂いが生じかねません。

遺族年金の併給制限と例外規定

日本の公的年金制度には、同じ人に複数の年金を受け取る権利ができた場合、いずれか一つを選択する「一人一年金」という原則があります。しかし、65歳以降や特定の組み合わせでは、例外的に複数を同時に受け取れる(併給できる)仕組みがあります。

65歳未満:
支給事由は「どれか一つ」を選択

65歳になるまでは、異なる理由(老齢、障害、遺族)で発生する年金を重複して受け取ることはできません。

(例)障害厚生年金を受給している方が、配偶者を亡くして遺族厚生年金の権利を得た場合、どちらか金額の高い方を選択し、もう一方は「全額支給停止」となります。

65歳以降:
自分の年金との「組み合わせ」が可能に

65歳を過ぎると、遺族年金に関しては、以下の組み合わせで受給できるようになります。

老齢基礎年金遺族厚生年金

自分の老齢基礎年金を受け取りつつ、亡くなった配偶者の遺族厚生年金をあわせて受給できます。

老齢厚生年金遺族厚生年金の差額

共働きなどで自分自身も厚生年金に加入していた場合、まず「自分の老齢厚生年金」が全額支給されます。遺族厚生年金の額がそれを上回る場合に限り、その「差額」が遺族厚生年金として上乗せされます。

障害年金遺族年金

障害基礎(厚生)年金を受けている方が、遺族厚生年金を受けられるようになったときは、いずれかの組み合わせを選択することができます。

労災保険との調整

業務上の事故で亡くなった場合など、労災保険の「遺族補償年金(労災年金)」を受け取ることがあります。遺族厚生年金は全額支給されますが、労災年金側が一定割合(約12%〜20%程度)減額される仕組みになっています。ただし、調整された労災年金の額と厚生年金の額の合計が、調整前の労災年金の額より低くならないように考慮されています。

参照:日本年金機構/年金の併給または選択 (2023年3月1日)厚生労働省/7-1 労災保険給付と厚生年金の両方を受け取ることはできるのでしょうか。(2026年3月現在)

遺族年金の
失権につながるケースの具体例

「失権」とは、遺族年金を受給する権利がなくなることをいいます。「支給停止」と異なり、一度権利を失うと、その後に事情が変わっても受給を再開することはできません。特にライフステージが変化するタイミングでは注意が必要です。

配偶者が権利を失うケース

受給者である配偶者(妻や夫)が以下などの状況になった場合、権利を失います。

  • 再婚したとき(事実婚含む)
  • 亡くなったとき
  • 直系血族・直系姻族以外の方の養子になったとき
    (例:再婚相手と養子縁組をした場合など)
  • (遺族基礎年金)対象となる子がすべて失権したとき
  • など

子が権利を失うケース

子どもが受給している場合、または配偶者の受給額に「子の加算」がついている場合、子どもが以下などの状況になると対象から外れます。

  • 18歳に達した年度の末日(3月31日)を迎えたとき
    ※障害年金の対象(1級・2級)である場合は20歳まで
  • 結婚したとき(事実婚含む)
  • 亡くなったとき
  • 直系血族・直系姻族以外の方の養子になったとき
  • 亡くなった方と離縁したとき
  • など

期間の満了(遺族厚生年金)

以下の場合で5年間の受給期間が終了した時点で、遺族厚生年金の受給権は失権します。

  • 夫の死亡時に30歳未満で子どもがいない妻の場合(現行ルール)
  • 2028年4月以降、改正ルールで該当する人

これまでの「一生涯」という仕組みとは大きく異なるため、受給期間が終わる前に、その後の生活設計を見直しておく必要があります。

参照:日本年金機構/遺族年金ガイド (令和8年度版)厚生労働省/[年金制度の仕組みと考え方] 第13 遺族年金(2026年3月現在)

遺族年金を受給する
手続きと必要書類

遺族年金は、受給資格があるからといって自動的に振り込まれるものではありません。遺されたご家族が、お近くの年金事務所や市区町村の窓口へ自ら「請求」を行う必要があります。

ご家族を亡くされた直後は、葬儀やその他の行政手続きで慌ただしく、年金の請求を後回しにしてしまいがちです。しかし、遺族年金の受給までには、書類の提出から審査・決定を経て、初回の振り込みまで数か月かかるのが一般的です。

遺族年金の
提出先・提出期限・添付書類

遺族年金の手続きは、まず「亡くなった方の年金を止めること」から始まり、次に「遺族が受け取るための請求」へと進みます。それぞれ提出先や期限が異なるため注意しましょう。

どこに提出する?(提出先)

亡くなった方の年金加入状況によって窓口が変わります。

  • 遺族基礎年金のみを
    請求する場合
    (自営業・フリーランスなど)

    お住まいの市区町村役場の
    年金窓口

  • 遺族厚生年金をあわせて
    請求する場合
    (会社員・公務員など)

    お近くの年金事務所
    または 年金相談センター

いつまでに提出する?(提出期限)

手続きには「受給停止(報告)」と「受給請求」の2種類があります。

手続きの種類

期限

備考

年金受給権者
死亡届
(報告書)

死亡日から
厚生年金:
10日以内
国民年金:
14日以内

マイナンバーが収録されている場合は省略可

未支給年金を受け取れる場合あり

遺族年金の
請求

死亡日の翌日から5年以内

5年を過ぎると時効により受け取れない

死亡一時金
の請求

死亡日の翌日から2年以内

遺族年金よりも時効が短いため注意

何が必要?(添付書類の一覧)

請求の際には多くの書類が必要となります。一般的には以下のものを準備します。

★はマイナンバーを記入することで添付を省略できます。

  • 年金請求書(窓口または郵送で入手)
  • 戸籍謄本 または 法定相続情報一覧図の写し
  • 世帯全員の住民票の写し
  • 亡くなった方の住民票の除票
  • 請求者の所得証明書・源泉徴収票など
  • 子の収入が確認できる書類
  • 子どもの学生証のコピーや在学証明書(高校在学中の場合など)
  • 市区町村長に提出した死亡診断書(死体検案書)のコピーまたは 死亡届の記載事項証明書
  • 受取先金融機関の通帳またはキャッシュカード

【死亡の原因が第三者行為の場合】や【保険料納付済期間・保険料免除期間を合算して25年未満の場合】などの場合は他の書類が必要になります。

参照:日本年金機構/遺族基礎年金を受けられるとき (2025年12月2日)

遺族年金の申請時の
注意点とよくあるトラブル

遺族年金の申請は、書類を揃えて提出すれば終わりではありません。審査期間中の生活費の確保や、将来的な「もらいすぎ」による返還リスクなど、事前に知っておくべき注意点がいくつかあります。

最初の年金が振り込まれるまでの
「空白期間」

遺族年金は、申請から受給決定(年金証書の到着)まで約1〜2か月、実際の振り込みが始まるまでには、そこからさらに1〜2か月かかるのが一般的です。

注意!

請求してから現金が手元に届くまで、最短でも3〜4か月はかかると考えておきましょう。その間の生活費や葬儀費用の支払いに充てる予備資金の確保が重要です。

年金の過払いと返還義務のトラブル

亡くなった方の年金を止める手続き(死亡届)が遅れると、亡くなった後の分まで年金が振り込まれてしまう「過払い」が発生します。

過払いに注意!

過払い分は後日、国から返還を求められます。すでに葬儀費用などで使い切ってしまった後に返還請求が来ると、家計に大きな負担となります。亡くなったら速やかに(10日または14日以内)年金を止める手続きを行いましょう。

事実婚(内縁関係)の
証明はハードルが高い

法律上の婚姻関係がない場合でも遺族年金は請求できますが、証明書類が多く審査も厳しくなります。

必要となる証明の例

同居している住民票、葬儀の喪主を務めた実績、親族による申立書など。客観的な証拠が不足していると、受給が認められないケースがあります。

振込先口座は受給者本人のもの

遺族年金は、亡くなった方の口座や、世帯主の口座に振り込まれるものではありません。

注意!

必ず「年金を受け取る本人(配偶者など)」名義の口座を指定する必要があります。名義が異なる場合は受理されませんので注意しましょう。

よくある質問

Q2028年4月の改正より前に受給が始まった場合、途中で「5年」に切り替わりますか?
Aいいえ、切り替わりません。 2028年3月までに遺族年金の受給権を得ている方は「既受給者」となり、改正後もこれまでのルール(原則として一生涯の無期給付など)がそのまま維持されます。 途中で支給が打ち切られることはありませんのでご安心ください。
Q共働きで自分も厚生年金に加入していますが、両方の年金を全額受け取れますか?
Aいいえ、全額が合算されるわけではありません。 65歳以降は「一人一年金」の原則に基づき調整が行われます。まず「ご自身の老齢厚生年金」が全額支給され、遺族厚生年金の額がそれを上回る場合に、その「差額」が上乗せされる仕組みになっています。
Q遺族厚生年金の「5年間の有期給付」が終わった後、老後の生活が不安です。救済措置はありますか?
Aはい、新たに導入される「死亡分割」という制度があります。 5年間の手厚い有期給付が終了した後、ご自身が老齢年金を受け取るタイミングで「配偶者の年金記録を分割して自分の年金に上乗せする」手続きが可能です。 分割された分は「自分の年金」として一生涯(無期)受け取ることができます。
Q遺族年金の受給権があることに後から気づきました。さかのぼって受け取れますか?
A時効(5年)の範囲内であれば、さかのぼって受給可能です。 遺族年金の請求期限は死亡日の翌日から5年以内です。ただし、寡婦年金のように「65歳まで」という年齢制限があるものは、65歳を過ぎると過去分も含めて権利が消滅してしまうため、早めの確認が重要です。
Q事実婚(内縁関係)でも遺族年金を受け取れますか?
Aはい、生計維持関係などの実態が証明できれば受給可能です。 ただし、法律婚に比べて証明のハードルが高くなります。同居を確認できる住民票や、葬儀の喪主を務めた実績、親族による申立書などの客観的な証拠を揃える必要があります。
Q夫が亡くなった際、妻である私の年収が850万円を超えていると、1円も受け取れませんか?
A現行制度では原則として支給されませんが、2028年4月以降は遺族厚生年金において年収制限は撤廃される予定です。 現在は「前年の年収850万円未満」が受給の条件ですが、改正後は高所得世帯であっても遺族厚生年金を受け取ることが可能になります。

(2026年4月)

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